第二回Web System Architecture研究会で、タイトルの内容について発表してきましたので、そのスライドと予稿を以下に公開します。
英文タイトルは以下の通り。
Fast Scheduler for a Cloud Platform to Relocate Containers at Each HTTP Request
クラウドサービスの普及に伴い,個人のWebサイトでもクラウドサービスに類する機能を利用して,突発的なアクセス集中に耐性があり,かつ,利用したリソース使用量に応じて課金するサービスの提供が求められている. 我々はその要求に応じるために,Webサイトをコンテナ上に構築し,コンテナの起動や停止,複製やリソース割り当てといった状態の変更を素早く実行できるコンテナ管理アーキテクチャFastContainerを提案した. 一方で,単一のコンテナが特定のサーバに収容されている状態で,サーバが過負荷に陥ったり停止したりするような状況においては,障害時にコンテナの収容サーバ情報の変更を手動で構成管理データベースに反映させる必要があった. 本研究では,HTTPリクエスト処理時において,収容サーバ,および,その経路までの状態に応じて,自動的にコンテナを収容するサーバを決定し,サービスを継続させる,HTTPリクエスト単位でのコンテナスケジューリング手法を提案する. 提案手法では,FastContainerの状態変化の高速性に基づいて,コンテナが頻繁に収容サーバを変更されてもサービスに影響がないことを利用する. それによって,プロキシサーバから収容サーバに1個のICMPパケットで応答速度を計測し,少ないパケット数と応答速度に基づいた短いタイムアウトで収容サーバの反応時間を計測できる. そのことで,単一のコンテナであっても,HTTPリクエスト単位でのコンテナスケジューリングを実現し,可用性を担保する.
- 1. はじめに
- 2. Webサービス基盤の負荷分散と可用性
- Webホスティングサービス
- クラウドサービス
- FastContainerアーキテクチャ
- 3. 提案手法
- 4. 実験
- 予備実験
- ICMPタイムアウトに関する予備実験
- Apacheコンテナの起動時間に関する予備実験
- 再配置時のレスポンスタイムの本実験
- 予備実験
- 5. まとめ
- 接続待ちソケット生成前のプロセスイメージを利用したWebサーバの汎用的な起動時間短縮手法
- 参考文献