人間とウェブの未来

「ウェブの歴史は人類の歴史の繰り返し」という観点から色々勉強しています。

博士課程の予備審査にいってきました

僕が博士課程で研究していた「Webサーバの高集積マルチテナントアーキテクチャに関する研究」という内容で、僕が通っている京都大学大学院情報学研究科博士課程の予備審査にいってきました。研究室は岡部研究室になります。

予備審査は、僕が所属する大学院の場合、基本的には博士課程の研究で3本以上ジャーナルを通す事を条件に、内容的にも指導教員の許可が受けられれば予備審査へと進むことができます。

博士課程においては、博士課程の入学資格審査の面接で情報学研究科のほぼ教員全員(数十人)の前でプレゼンし、博士課程が半分経過した際に受ける中間審査のプレゼン(これまた同様に教員数十人)に続く、大変厳しい審査のうちの一つです。プレゼン時間は1時間、質疑応答は30分です。また、そこに参加される先生方は、各専門分野でも世界トップクラスの研究者であるため、そのような方々の前で学術研究の発表をするのは、とにかくプレッシャーとストレスがすごいのです。

入学資格審査や中間発表では、研究の突っ込んだ話は当然のこと、「アカデミックはどこにあるのか」「普遍的な学術的貢献はなんなのか」「工夫なのかアイデアなのか」といったように非常に抽象度が高く、汎用性・一般性に基づいた質疑が飛び交います。そんな中、複数の貢献をジャーナル化した上で、予備審査ではそのジャーナルを組み合わせつつも、その複数の研究に対して一貫性のあるストーリーや十分なサーベイを行い、上記の抽象度の高い質疑に回答しつつも、その内容には新規性・有効性・信頼性・了解性が必要となります。

それをまとめたものが博士論文になるので、当然ながらすべての内容が新規性を持っており、自分自身の完全なオリジナルの内容になるので、それが体裁にもよりますが100枚以上のページ数となると、多大な作業と思考が必要になります。

予備審査では、事前に提出した博士論文のクオリティが時間がなく非常に低いものだったと自覚があったので、すくなくともスライドや口頭で説明する内容はしっかりと準備して参加してきた所、今までにないほど沢山の質疑やコメントを頂き、博士論文を執筆する上で、さらにより良い論文へとなるであろうことがその場で実感できるレベルまで議論することができました。

資格審査でも中間発表でも、基本的には非常に厳しい事を沢山言われていたので、今回の予備審査はここ10年でも最もストレスを感じていたイベントですが、無事良い形で終わらせる事ができました。ということで、次は指摘を反映した博士論文を書き直した上で、年内に本審査を経て学位取得を目指したいと思います。

ということで、以下に予備審査に向けてまとめた、自分の博士課程の研究スライドを紹介しておきますので、興味のある方は是非御覧ください。