人間とウェブの未来

「ウェブの歴史は人類の歴史の繰り返し」という観点から色々勉強しています。

楽しもうOSS開発 - mrubyで学んだ貢献の流儀と情熱

というタイトルでWEB+DB PRESS Vol.85に寄稿しました。発売日は2月24日です。Amazonでは予約もできます。

タイトル的には非常に恐縮で、僕がこんな記事を書いてしまって良いのか不安でしたが、編集者と査読者の方々の支えもあって無事書きあげる事ができました。

WEB+DB PRESS Vol.85|技術評論社

僕はOSS開発といっても、ほんの数年前の2012年頃までは全くといっていいほどオープンにOSS開発をしていませんでした。そういう意味では、このタイトルからすると非常に遠い存在であったように思います。

ですが、2012年の4月から会社を辞めて大学院の博士課程に入学し、そこからOSS開発を始めました。そう考えても、OSS開発のキャリア的にも約3年になるぐらいでやっぱり非常に短いです。その辺りの背景に関して、寄稿した記事を読むにあたり自分が何故会社をやめ博士課程に入ったのかについて、Rubyビジネスセミナーでお話した以下のスライドを見ていただくと、僕の大学時代から社会人に至るまでの背景がざっくりと理解でき、より記事も読みやすくなるのではないかと思います。

研究者と技術者とmruby - 学生によるOSS開発とイノベーション - // Speaker Deck

そして、2012年の4月にmrubyと出会い、そこからmrubyに関わる開発や自分のOSSプロジェクトを持つようになり、楽しくて楽しくてしょうがないのでひたすらOSS開発と学術研究に取り組んでいると、気が付くと2014年の2月には日本OSS奨励賞を頂く事ができました。

このように振り返ると、キャリアは短いながらも結果的にかなり最短で日本OSS奨励賞を頂くに至るには当然何か理由があるはずで、それをOSS開発という観点からこれまできちんと振り返っていませんでした。

ですので、今回のこの記事の依頼を頂いた時に、自分にとってOSS開発とは何なのか、なぜ自分は日本OSS奨励賞という評価を頂けるに至ったのかを一度真面目に振り返りたいと思い、また、それがひょっとすると誰かの役に立つのではないかと感じ、恐縮ですがWEB+DB PRESSの記事に書くことにしました。

対象となる読者は、OSSを使ったことはあるが、パッチやバグ報告などをしたことはなく、そろそろ自分もOSS開発コミュニティに参加したり、自分でOSSを開発してみたいと思っている人たちです。そして、いつかはその貢献が認められて日本でも有数のOSS開発者になってみたいとおぼろげにでも考えている人たちです。ですが、OSS開発のキャリアの長い先輩達にも是非とも読んで頂き、「あー、matsumotoryはこんな感じだったのかー」とか、自分にとってのOSS開発とは何なのか等を振り返ったりしてみて頂けたらと思います。その上で、色々なOSS開発者のそんな話をブログ等で読んでみたいです。

OSS開発への最初の一歩を踏み出せていない人にとって、この記事を読むことでOSS開発に参加する後押しとなれば幸いです。

以下、節のタイトル(章節レベルのみ載せています)になります。購入する検討材料にしてみてください。

1. OSS開発は楽しい?

2. OSS開発とはなにか
2-1 筆者がOSS開発に参加したきっかけ
2-2 OSS開発の魅力
2-3 OSSに貢献してみよう

3 OSS開発のはじめかた
3-1 自分にとってのモチベーションを確認する
3-2 貢献するOSSを見つける
3-3 きっかけをつかむには

4 いざ開発!
4-1 実際の開発に参加する前に
4-2 Pull Request/パッチを送る
4-3 開発にあたっての注意点

5 筆者にとってのOSS開発
5-1 自分のOSSプロジェクトを育てる楽しみ
5-2 継続的に開発することの重要性
5-3 OSS開発と情熱と楽しいということ

今回はGitHubのPull-Requestベースで執筆したのですが、個人的には非常にやりやすかったです。というのも、何より編集者の方がGitHubを余裕で使えるというのが大きな要因だと思います。すごい。

Amazon.co.jp: WEB+DB PRESS Vol.85: 菅原 元気, 磯辺 和彦, 山口 与力, 澤登 亨彦, 濱田 章吾, 宮田 淳平, 松本 亮介, 海野 弘成, 佐藤 歩, 泉水 翔吾, 佐藤 太一, hide_o_55, 青木 良樹, 武本 将英, 道井 俊介, 伊藤 直也, 橋本 翔, 渡邊 恵太, 舘野 祐一, 中島 聡, はまちや2, 竹原, 牧 大輔, 工藤 春奈, WEB+DB PRESS編集部: 本