人間とウェブの未来

「ウェブの歴史は人類の歴史の繰り返し」という観点から色々勉強しています。

nginx実践入門はまさに今が買いの素晴らしい本だ

nginx実践入門を読みました。

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なぜか福岡で @kazeburo さんとお会いし、その際にkazeburoさん経由でnginx実践入門の献本を頂きました。この本は、nginxについて調べていると必ずといって良い程お見かけし、素晴らしい情報を発信している久保さん( @cubicdaiya )と道井さん( @harukasan )が執筆された本で、まずはその段階で読む前から信頼感があります。

早速ですが、この本は、

  • nginxを触り始めた人が構築のために読むのにオススメ
  • nginxを一通り触った人がさらに質の高い設定をする知識を得るのにもオススメ
  • nginxをかなり触っている人がさらにより良いチューニングや機能拡張を行うためのスキルを得るのにもオススメ
  • 現時点でのnginxのみならず、周辺の最新情報(TLSやHTTP/2を含む)をnginxを通じて知るのにもオススメ

というようにオススメすることができて、結局の所 皆さんにオススメできる素晴らしい本 である、ということになります。

というのも、

  • リファレンスとして使う事もできる
  • なぜこの設定が必要なのかという点についても理由がきちんと書かれている
  • さらに最適化するために必要な事が実践面を根拠に記されている
  • 最近重要だと言われているシステムがどのようなもので、それをnginxを含めて実現するためのノウハウが書かれている
  • その他ログ集約に関連する技術や、HTTP/2やPFSなど、現時点での知るべき新鮮な情報がまとまっている

という特徴が挙げられるからです。エンジニアとしてこのような本を書くことを想像したときに、サンプルとしてnginx1.9.5を使っている事には正直びっくりしましたし、とにかく新鮮な情報を読者に提供するために、すごく努力されている事がとても伝わってきました。

よく見るミドルウェアの本では、単なるリファレンスであったり、その逆引きであったりします。しかし、この本では、例えばシステムとして実現したい事がいくつかあって、それをnginxを使う事で効率良く実現するにはどうしたらよいのか、という観点でGoogleなどを使ってバラバラに散らばった情報を横断しながら検索するような内容が、きちんと本として一つにまとまっています。

実践したい内容がどういう内容で、どういう利点があって、それを実現するにはこうすれば良いよ、という、エンジニアにとって非常に納得できる流れで執筆されている点も、この本が他のミドルウェア本と大きく違う優れた所だと感じました。また、それらが著者の運用経験からくる実績にもとづいて記されているので、納得感に加えて信頼感がありました。まさに実践という言葉がぴったりです。

ということで、エンジニアは最終的に「いかに実践するか」が重要になると考えているのですが、それをnginxというソフトウェアを使って実現する場合において、文献として参考にするにはピッタリの内容だと感じました。

HTTP/2やTLS、さらには少し踏み込んでPFSの考え方など、今知るべき内容が書かれているので、まさに今が買いと言っても過言ではないでしょう。

nginxを触っている方はもちろんのこと、nginxを通じてWebサーバに関わる知識や関連するシステムに関する知見を得るにも非常に有用な本だと思いますので、是非手にとって読む事をオススメします。