本当にあった言う間に、2018年11月にさくらインターネットに入社してからちょうど1年が経ちました。
随分と活動が海外に広がり、異様に優秀な研究所のメンバーに刺激を受けて、毎日がとても楽しいですし、これからさらに楽しくなっていく話ばかりです。自分の研究のキューも沢山ありますが地道に頑張ります。
この1年は、さくらインターネット研究所がチームとして機能するように研究開発の取り組み方などにアプローチしてきました。チーム設計が落ち着いてきてから特に意識していることは、自分ができることは共有したりレビューして伝えつつ、世界に目を向けて自分ができていないことを先回りして挑戦・調査することです。そんなことを継続してやっています。
とういうこうことで、入社後印象的だったことをまとめてみようと思います。
さくらインターネット研究所におけるフォロワーシップ
さくらインターネット研究所においてびっくりしたことは、まず鷲北所長のフォロワーシップがとにかくすごいことです。やりたいことは何でもやらしてくれます。多分僕がやりたいといってだめだったことは一つもないんじゃないでしょうか。 これもできそうでなかなかできないことなのですよね。
それに加えて会社の理解があるからこそ、我々は自由に研究したり発言したり社内外で活動できたりしています。 研究という言語化の難しい取り組みに対して会社から理解してくれていることも考えると、まさにこれも研究所に対する会社からのフォロワーシップでもあります。 そして、最近では優秀な人が研究所に沢山集まってきていますが、まさにこれは所長自ら率先したフォロワーシップが良いチームを作っているからであり、それが外からも見えるようになってきていることに他ならないでしょう。
さくらインターネット研究所最近やばいよねという話に対する回答の一つは、所長がとにかくリーダーシップを発揮しないといけない、というわけではなく、実はリーダーだからこそフォロワーシップを発揮することがすごく周りに効いてくるという話であると思えます。 研究所内ではそういう個々の関係性の中でフォロワーシップが見事に機能しており、皆がそれに影響を受けて個々にフォロワーシップが自然にできているわけなので、もう少しマクロにチームや組織として会社を見た時に、これからは研究所自体がチームとして組織に対するフォロワーシップを率先してやっていくことが、うまくチーム間や組織全体のポジティブな文化を醸成していくことになるでしょう。 なのでそこをしっかり引き続きやっていきたいです。
そのためにも、研究に対する理解を求めるばかりじゃなくて、研究所でやっていることをもっと透明化して会社や周りに伝えながらポジティブな影響力を与えていきたいです。 研究所自らが積極的にフォロワーシップすることが、さらに研究所に対する周りからのフォロワーシップを強め、その共感と賛同は自信にも繋がり、さらなる研究の質を上げていくように思えるのでありました。
余白の重要性
さくらインターネットではとにかく働きやすさを改善し、余白を設けて心身ともに休めるようにし、適切な時間の仕事を行えるようにすることで、精神的にも肯定的になりリード&フォローが可能となって、組織として持続的に成長し続けられるような人事施策を戦略的に行なっています。これは本当に素晴らしいと思います。もちろん有給休暇やその他記念日休暇なども使用期間からすでに20日以上あります。
一時的に数値面に課題が出て、もっとみんな働けるとか、無駄を省いて効率化だ生産性だ、みたいなことを通常やりがちですが、さくらインターネットではそういうことは後々別の場所にヒビが入り破綻することを理屈としても経験的にも理解していて、だからこそ自信を持ってこういう施策に取り組めています。
目の前の傾きに気を取られて局所最適に陥ると、傾きは緩やかでも持続的に成長すべき状況で、フォースエコノミーのような単一の側面だけで善し悪しを測ってしまってそこから派生する悪影響を認識できない状況になってしまい、それを取り返すのにまた膨大な時間とコストがかかってしまいます。常に多面的に評価を行い、結果として持続できる健康な組織を作り始めていて素晴らしいです。
さくらインターネットでは、楽しくやろう、余白を持とう、しっかり休もう、やりたいことをやろうなどを強調し、それが精神を充実させ、リード&フォローを促し、少しずつ前へと進み続けられる組織になってきているように思えます。短期の強引な成長よりも、長期での緩やかな持続的成長が重要なのですね。
そして、このように後からだと理解できるのですが、それをずっと前からコンセプトして以前から何度も提唱してきている田中さんは本当に過去や歴史から物事を学び、そこから自分の新しい発想を取り入れながら先を見据えた発言をされていて、その理屈が自分の中で筋が通った時に、あーーーそういうことですね!とっなって、本当にすごいなと感心します。
あなたはやりたいのですか?
さくらインターネット研究所の所長にやりたいことを相談した時には必ず「で、まつもとさんはやりたいの?」「やりたいです」「じゃあやりましょう」という会話になるので、本当に楽しく仕事させてもらっていますね。「さくららしさがあれば良いし、やりたいことにさくららしさが移動するかも?」ともおっしゃってくれます。
結局のところ、あなた個人が本当にやりたいかどうか、ひいては社員のみんなが本当に幸せにやれているか、その結果として株主や事業を通じて社会に貢献できるような状態に持っていける組織構造を作れているかを重要視しており、これは本当にさくららしい考え方だと思えました。
まとめ
ということで、入社してとても特徴的であったことをまとめてみました。こういう話を会社として建前だけでなく、組織として進められているというのは本当にすごいなと思います。 意外とできそうでできないことですよね。
そして実際のところ、僕がホスティングサービスに興味を持ち出した2004年あたりから、田中さんと鷲北さんというと当時自分が最も尊敬するエンジニアであったのですが、そういう人たちと今一緒に仕事をできていたり、割と自由に話せたりできる環境は本当に楽しいですね。良い意味で、尖っていて憧れていたエンジニア像として、今もそのままでいてくれるので、とても刺激があって会話も楽しいです。
こういう状態で仕事が続けられるように、少しでもこういう良いことが外にも伝わるように、そして、同じ環境で切磋琢磨できるより優秀な人と働けるように、こういう内容の記事をこれからも書いていきたいなと思います。
冒頭で述べたとおり、さくらインターネット研究所はさくらの斥候部隊という立ち位置ですが、自分は研究所の中の斥候として研究所の未来を切り開いていきたいなと思います。2年目も引き続き世界に目を向けながら、焦らず自分の力を世界水準で発揮できるようにし、それをまた研究所ひいてはさくらにフィードバックします。
入社時に田中さんや鷲北さんからの期待として「世界でさくらの新しい顔になれるように活躍して欲しい」と言われたことを忘れずに、日々やりたいことや楽しむことを忘れずにやっていきます!