僕は元々革靴や革鞄、革小物さらには伝統のある紳士服が大好きだ。
その辺りについては、旧ブログでも散々言及してきた。IT技術系の記事よりも力が入ってる可能性もある。
というのも、僕は伝統やうんちくのあるモノに対して、一度自分で経験してみたかったり、そのモノの良さがどこにあるのかを知りたいという気持ちが強くある。
そんな流れでここ8年ぐらいに色々な服にも手を出してきた。その間の趣味はある程度一貫していたのだが、つい最近からそれが少し違う方向に変わりだしてきた。
元々の自分の服の趣味としては、綺麗目のテーパードしたデニムにシャツを合わせてハイゲージニットを来てジャケットを着る、これが自分が一番興味のある服装だった。所謂ジャケパンといわれる領域だ。
例えば、ニットだと、
- ジョンスメドレーのメリノウールニット
- クルチアーニのメリノウールニット
- プリングルスのカシミヤニット
- バランタインのカシミヤニット
辺りが好きで、最終的にはジョンスメドレーやバランタインに落ち着いている。ジョンスメドレーのコストパフォーマンスや色合いと、バランタインの素材の上質さは、ドレスとしてシャツの上に着るハイゲージニットとしては大変素晴らしい。
また、シャツだと色々着てみた結果、
- ブルックスブラザーズのポロカラーシャツ
- ルイジ・ボレッリの色々
辺りを好んで着るようになり、今ではルイジ・ボレッリのルチアーノばかりを着ている。ルチアーノのカッティングと手作業による縫い合わせから生じる着心地の柔らかさ、襟の位置の高さなど、ジャケットやスーツに下にきる既成のシャツとしては最強なんじゃないかと感じている。ただし、ブルックスブラザーズのポロカラーシャツの分厚さと頑丈さの安心感は良いもので、値段も安いので消耗品にもなりうるシャツとしてはかなり評価が高い。
そんな感じで、どちらかというとドレスよりの服装にずっと興味を持っていたのだが、最近は少し趣向が変わってきた。もう少し前置きを続ける。
というのも、まず、ウールやカシミヤのハイゲージニットが、手入れや値段と経年劣化のバランスに満足がいかなくなっていたからだ。革靴のように、履いては磨いて修理し、それを繰り返している内になんともいえないヌメっとした輝きと、ソールの沈み込みによる履き心地の向上が得られる。特にエドワード・グリーンの靴のその感覚には、他の靴では得がたい程に魅力がある。そうであれば、ある程度値段が高くても、育てる楽しさやその期間の長さに対して適正なお金を払おうと思うし、修理や維持費は高くつくが満足度は非常に高い。
だが、ウールやカシミヤのハイゲージニットは手入れのわりに、穴があくこともあれば、毛玉ができたり個体差によっては縮む事がある。これは、ジョンスメドレーのメリノウールであってもあり得る話だし、ましてや10万近いバランタインのカシミヤニットですら、場合によっては起きてしまう劣化だ。
とはいえ、バランタインのハイゲージニットに関しては、最高の中の最高のカシミヤを使っているため、確かに3、4年来てみるとベロアのようななんとも言えない素材感になり、最高の肌触りなのだが、縮んでしまうこともある。これはもはや、素材の品質の問題だけでなく、毛素材とニットの作りの特性上、どうしても避けることができない問題だと感じるようになった。といいつつも、何年も良い状態で残るニットも中にはあって、これを僕は当たりニットだと勝手に思っている。そんな流れの中で、ウールやカシミヤのハイゲージニットはもっとお金を持っている人が、エイジングとかではなく消耗品として楽しむ領域なのではないかというのが正直な感想だ。
そんな流れから、今シーズンはついにユニクロのメリノウールニットとカーディガンを買う事にした。とにかく安いし、シーズンで着る分には十分だし、なにより最近のユニクロのカッティングは素晴らしい。だがやはりボタン等を見てしまうと、値段相応だと感じることもある。
ここまでが前置きでようやく本題なわけだが、上記のような経験から最近では素材はコットンで、カジュアルでシンプルかつ綺麗目に着こなせて、手入れが簡単な服装に興味が出てきている。
例えば、デニムにTシャツを1枚着るだけで上着はダウンを着る、といった具合だ。これだと冬の旅行であっても荷物は少なくて済むし、手入れも普通に洗濯してやれば良いだけだ。ただ、冬でもTシャツ一枚にダウンを羽織るだけなので、ダウンは質の良いものを来なくてはいけない。ただ、何枚も服を重ねて着るよりも、Tシャツ一枚に上質なダウンを羽織ると、身体の体温と湿気が保たれ非常に心地の良い感覚が生じる。そう、まさに薄手のパジャマで羽毛布団をかぶって寝るあの感覚だ。
ということで、昔からの趣味として、Tシャツはnorikoikeの天竺度詰Tシャツと、最近では、
- オーチバルのボーダー
- セントジェームスのウエッソン
辺りが気に入っている。Tシャツながら非常に分厚い質感で、洗濯するたびに自分の身体にフィットしていく感覚と安心感がある。また、3シーズン着れそうな生地感も魅力だ。ダウンの下に着るにもピッタリである。
また、これまで全くといっていいほど興味の無かった服として、最近ではスウェットに興味を持ち始め、昔から人にはすすめていたが購入はしていなかった、
- ループウィラー
のスウェットを購入した。ただし、綺麗目に着たいというのと、ニットやシャツの組み合わせが好みだったので、ジャケットリクワイア別注のニットのような雰囲気のトビ吊り裏毛クルースウェットを購入した。
ダウンは、6年前に購入したモンクレーを着ている。モンクレーに関しては賛否両論あるが、着てみての感想は、やっぱり外生地ナイロンの耐久性が高くて劣化が少なく、羽毛が全然抜けない作りになっている事、その結果いつまでもフンワリとしていて温かいし、むしろ、もっと酷使してやらないといけないなと感じるほどだ。ダウンボールは小さくなっているだろうが、そもそものダウンが外に抜けていかないので、6年着た今でもパンパンである。次ダウンを買うことになっても間違いなくモンクレーのダウンを買うだろう。しかし今の段階だとまだ6年は着れそうだし、折り返し地点にも来ていないようにも感じる。それほど素晴らしいものだ。
そんなこんなで今日は実家に帰ってきたので、荷物は非常に少ないし、着る服も基本的にはデニムとTシャツだけなので、洗濯も楽だし動きやすくて非常に快適だ。
ちなみにデニムは、ジャケパンの経緯から
- ヤコブコーエン
を一番気に入っているが、昔にかった
- ダルチの106(テーパードモデル)
をこの服装では着て行きたいと思っているが、腹回りがきついので痩せなければならない。
ドレス方向に興味が強かったのだが、こういう方向性もありだなぁと思ったので、その事を連々と書いてみた。
年末だし、明日にでも革小物を磨くかなぁ。